あーとこみにてぃー@藤岡宣麗

マルチクリエイターの藤岡宣麗による作品発表です。皆様に楽しんでいただけるような投稿にしていきたいと思ってます。

bungaku museum 1渡辺浩弐

渡辺浩弐「1999年のゲームキッズ」(幻冬舎文庫

 

1999年のゲーム・キッズ (ファミコン通信ブックス)

1999年のゲーム・キッズ (ファミコン通信ブックス)

 
1999年のゲーム・キッズ(下) (星海社文庫)

1999年のゲーム・キッズ(下) (星海社文庫)

 
1999年のゲーム・キッズ(上) (星海社文庫)

1999年のゲーム・キッズ(上) (星海社文庫)

 
1999年のゲーム・キッズ (幻冬舎文庫)

1999年のゲーム・キッズ (幻冬舎文庫)

 

 

  昔、テレビ東京やゲーム番組で登場していたバーチャリアンッ!こと渡辺浩弐氏の作品である。中身として、短編仕立てとなっており、近未来的な社会で最先端技術を駆使したものを現実世界に登場させることにより、バーチャリティーな誠意且つ環境を送る人たちがどのような生き方をするのかを同氏による創造性を描いた小説である。作品に登場するゲームシステムが現実における機能性がいかにして、現実社会にもたらすのか、仮にゲームシステムが世の人々を便利にさせることで、システムの技術性に意義を持たせることができる。だが、一歩間違えると、社会崩壊、犯罪誘発、廃人化となる恐れまでも起きてしまう。このマイナス面においてはシュールなブラックユーモアとなり、(「家族の絆」、「ぷよぷよ」における家族崩壊、何ともブラックユーモアどころではないとは思うが。)バッドエンドも「ゲームオーバー」から社会問題、犯罪性等の絡んだ「バッドエンド」と、マルチエンディング的な仕上がりであるのには、同氏の小説がまるで一つのゲームを味わっているかのように感じることができる。各物語における流れとしてはそこに登場する若年層や中高年層の人たちの生活に合わせたうえで、ゲームシステムや新技術を物語背景や展開を活かし、まとまっている。あとは「究極の小説」にはすごく納得した。確かに日本人にとって一番なじみのあるものであるから、好きな字を使っても、たしかにここに書かれる意義は特に納得のいくものである。 

 渡辺浩弐氏は現在は母校の早大で講師としても活躍している。昔をさかのぼると、同氏はテレビ東京の番組で相当体を張っていたこともあり、タレント性の一面も持っていた印象が強かった。ゲーム解説と活躍の場を広げ、「ブラックアウト」や「アンドロメディア」を発表し、俳優の椎名桔平山本未来、歌手メンバーのSPEED(スピード)が抜擢されることには驚いた。同時に渡辺氏の紹介も大きく報じられたであろう。現在でも執筆活動の上に早大講師としてのマルチ才能を持つ同氏により、更なる「バーチャリアン」現象を再び世の人たちを震撼させるであろう。