あーとこみにてぃー@藤岡宣麗

マルチクリエイターの藤岡宣麗による作品発表です。皆様に楽しんでいただけるような投稿にしていきたいと思ってます。

bungaku museum 1 小林多喜二

小林多喜二蟹工船」(新潮文庫

 

蟹工船・党生活者 (角川文庫)

蟹工船・党生活者 (角川文庫)

 
蟹工船・党生活者 (新潮文庫)

蟹工船・党生活者 (新潮文庫)

 

 

この作品は、最近になって映画化されるほどの注目度が非常に高い。それもそのはず、この現代社会における大不況がわれわれ世間の生活に大きな悪影響を及ぼしている。仕事がない人たちにとってはいかに生活をつなぐということだけでも大変なものであり、仕事があっても見つけた仕事がいわゆる「ブラック企業」ではとても厳しいものを語らせる。この現実を帯びるのが、アメリカのリーマンブラザーズ社が経営破たんをしたころであり、サブプライムローンに対する世界不況により、同時に百貨店業界の悪化が明るみに出たことで、派遣切り・雇い止めという最悪なトラブルまで及んでしまった。こういった社会的災難を受けた人たちにとって、小林氏の作品がいかに弱い労働者の気持ちを考えているのかを示してくれるといっていいであろう。この作品こそが、我々未来にとって、一種の社会警告となる本であると過言でもない。この作品の中身として、日本海軍のもとにおける蟹工船という職場で、労働者にとって非常に勤労環境が非常に悪く、監督の浅川という人間による職権乱用なのか、船員の乗っていたボロ船を、「沈めたほうが安上がり」と言い、撃沈することにより、多くの命を奪ったのである。浅川ごとく非人間的なやり方に不信感を抱いた労働者たちは力を合わせて戦っていこうというわけである。

小林多喜二氏は就職しながらも、作家活動を続けていた。だが、二十九歳で、共産思想に警戒していた当時の日本社会は彼の思想を許すことはなかった。故に、同氏はこの世を去ることを余儀なくされてしまう。現在の共産党というものに対してはいかがなものであろうか。特には日教組、学校の先生たちの組合である。この現代社会において、彼らは教育そのものを腐敗に追いやってしまった。反日教育だけは熱心に行う割には、いじめやリンチ事件に対し何も関心を持たない。亡くなった児童の遺族には申し訳ないという気持ちも全く感じられない。方や、窃盗や猥褻等で逮捕された教師に対し、解雇だけで済ましてしまうというトカゲのしっぽ切りで済ませる有様である。まさに、彼ら教師の姿は、浅川監督そのものである。学校そのものが蟹工船と言ってもいいはずである。小林氏の強く抱いていた共産主義の栄光が、教育界を腐敗させた彼らの暴走によって、皮肉な形で再現されてしまったものである。教師たちは自らで腐敗させた教育界の現実を直視し、猛省しながら出直すべきである。