あーとこみにてぃー@藤岡宣麗

マルチクリエイターの藤岡宣麗による作品発表です。皆様に楽しんでいただけるような投稿にしていきたいと思ってます。

bungaku museum 1 菊地秀行

菊地秀行「妖魔戦記」(光文社文庫

 

妖魔戦記 (光文社文庫)

妖魔戦記 (光文社文庫)

 

 

菊地秀行

 関西のアニメ番組で、菊地秀行氏の原作アニメが放送されたことがあり、天野喜孝氏を作画担当として起用した「吸血鬼ハンターD」が印象的であったが、今回は菊地氏原作の「妖魔戦記」という作品を読んでみると、中身は冒険ものかと思いきや、何とも鋭いエロスティックな表現がふんだんに盛られており、読んでいくたびに、きわどいセックス表現が連続として物語と交わっていくことで、物語として単一から何層にも重なることでの部分を感じた。この作品に登場するベネディクト神父という亡霊をいくつかの場面に登場させることにより、神父の受難であったとされる中世・近世の歴史性における背景とうまく交わり、高度なストーリー性を持った怪奇的冒険として成り立っている。だから決して、単なる怪奇物でなければ、単なるエロ物でもないと断言できる。とはいえ、場面の盛り上げに何も女性キャラにそこまで淫らなシーンをさせていいのか、それも巧みに、と小生は思うが、でも、菊地氏がからできる作品であり、ファンも結構多いわけである。今度の機会に「吸血鬼ハンターD」を読んでみたいし、楽しみが増えてよかったと思っている。そう思っていると、同氏の作品にこうご期待といったところであろうか。