あーとこみにてぃー@藤岡宣麗

マルチクリエイターの藤岡宣麗による作品発表です。皆様に楽しんでいただけるような投稿にしていきたいと思ってます。

bungaku museum 1 筒井康隆

筒井康隆時をかける少女」(角川文庫) 

 

時をかける少女 (角川文庫)
 
時をかける少女 (ハルキ文庫)

時をかける少女 (ハルキ文庫)

 
時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

 
時をかける少女

時をかける少女

 
時をかける少女 (角川文庫)

時をかける少女 (角川文庫)

 

 

 芳山和子という少女が理科実験室で遭遇した出来事、ここで彼女の運命が変わったのかもしれない。和子という「かの女」の人格には、男子に対してなのか、母性愛が強い部分、この遭遇により、彼女の心を強くさせた。タイムスリップする能力を手にした事により、彼女の眼にした大惨劇を悪夢に変え、友人を助けるということで、彼女の中で大きな「責務」を果たす気持ちを持たせた。また、和子がこの能力を持つことを知ることにより、周りに対するカミングアウトもなかなか言い出せなかったのは、現実に起こるはずもない現象を誰も信じてくれるわけもなく、この能力を彼女自身で悪用してしまう、第三者が弱みに付け込んで悪用してこないのかということへの懸念を持っていたかもしれない。作品としては前者のことが書かれているが、後のことは小生が気づいて意見として述べたものにすぎない。深読みしすぎかもしれないが、一応ここで述べさせていただくことにする。この責務を果たすことにより、彼女自身は一歩一歩と成長していったことには変わらない。彼女のがもし、この遭遇がなければ彼女は単なるおせっかいな人間としていたかもしれない。

 ここで現れた「人影」の正体は、テレポーテーションという能力を科学的に活用したとされるはるか未来から来たというものであり、和子のであったラベンダーの香りの出来事がこの人物の起こした事故であったとされるが、彼女にとってはかけがえのない大きな経験となり、ラベンダーの香りが彼女の成長の役目を果たしていたはずである。

 筒井康隆氏はテレビでよく見かけるが、ご本人は作家の立場の傍ら、俳優業もこなしているという。同氏の作品を読むのはこれが初めてであるが、いろいろ見ていきたいと思う。この作品に印象的なのは単に「時」の出会いではなく、この出会いからどう変わっていくのかという成長していく人物の心情も言えることである。確かにこの作品から、映画やアニメと話題になっていたわけであり、この作品の持つ魅力性は非常に大きい。筒井氏の作品の作品をこれからも楽しみにしていきたいものである。