bungaku museum 1 景山民夫
景山民夫「遠い海から来たCOO」(角川文庫)
遠い海から来たCOO (下) (ニュータイプ100%コミックス)
- 作者: 前田真宏
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1994/03
- メディア: 単行本
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avapo 222) アニメ映画ポスター 【Coo遠い海から来たクー】(1993年公開)原作: 景山民夫 ,監督: 今沢哲男 脚本: 岡本喜八
- 作者: アニメ映画 劇場映画ポスター cinemaTAKA
- 出版社/メーカー: 東和,WB,ヘラルド映画
- 発売日: 2018/02/20
- メディア: ポスター
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邦画アニメ映画チラシ: meti296[COO 遠い海から来たクー」
- 作者: 邦画アニメ映画チラシ一覧cinema-TAKA
- 出版社/メーカー: 東和、松竹、ユナイト
- 発売日: 2017/01/21
- メディア: その他
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- アーティスト: サントラ,松任谷由実,ジュリアン・レノン
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 1993/12/16
- メディア: CD
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洋助がであった動物、今日の世界では決して見ることのないはずの生き物が現実として誕生し、父の徹郎との相談から飼うことに決め、生き物はやがて洋助との絆を深め、敵対していた人物たちの心を揺さぶるようになると同時に、少年としての洋助に冒険心を生み出していく。彼とCoo(クー)の築き上げた絆の力は決して普通の人並みでは計り知れないものである。フィジーという壮大な大地を舞台としながらも、現実の世界がまるでファンタスティックに描かれることにより、物語の面白さがより一層増し、人間の心を織り交ぜることや政治、社会背景を更に加えることにより、物語の壮大感、厚みが感じられる。時に悲劇な場面も加えることにより、物語の背景、進行の一つとして、場面の意義としての上出来さを感じられる。景山氏の描くフィジーの舞台や悪役である侵入者たちとの戦闘シーンにも、きめ細かな表現で描いており、著者本人の想像力や神秘性が至れり尽くせりと余すことなく活かされており、著者にとってのハッピーエンドを描いていた理想郷の一つと言ってもいいかもしれない。
著者である景山民夫氏は生前、テレビ番組に出演しており、東京や大阪のテレビではとても印象的であった。構成作家の顔を持つ一方で、タレントとしての部分もあった。インテリジェンスな印象もあるが、片や負となるもう一面を持っており、景山氏の弱さとしての部分も出ている。番組中で「これから裁判へ」と口にしていたこともあり、某団体の関わりもあって、トラブルメーカーとしての部分も印象付いてしまっている。テレビに映る景山氏の姿は知的に見えるものがあっても、消えない闇を抱えているのは否めない。晩年は自宅で突然の出火によって、一生を終えることとなり、この死が事故死である一方では自殺という説も出ている。どの道、享年五十歳の景山氏が描くべき作品はまだ終えていないはずであると思うが、他界した本人にしかわからないことである。この作品に印象的なハッピーエンドと神秘性、景山氏にとって切に望んでいたものであろう。ただ、景山氏の遺作が永遠に読み続けられることにより、同氏の気持ちが少しでも慰められると思う。