bungaku museum 1矢立肇・河森正治
- アーティスト: 坂本真綾,シャンティ・シュナイダー,Midori,アドムの子供たち,サントラ,ガブリエラ・ロビン,岩里祐穂,菅野よう子,溝口肇
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2000/07/05
- メディア: CD
- クリック: 11回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
神崎ひとみという少女の抱える気持ちが大きなカギである。友達の心を傷つけてしまった罪悪感により、彼女は自らを傷つけ、「最低だよ、消えちゃえよ」というマイナス心情を抱えてしまった。彼女の悲しみが、夢で見た、死んだはずの天使により異世界へといざなわれたのは、彼女の悲しみと天使の悲しみが共感したことには間違いない。戦争という悲しみの世界に復讐という悲しみ、彼女のであった悲しみの結末と感じたはずである。悲しみの果てを感じか彼女は、悲劇のドツボから這い上がろうと、自らの心に誓い、復讐の心に閉じこもったバァンを解放することにより、少しでも前向きにできたことには、彼女のとしてはうれしいものである。現代人の抱える様々な悲しみは自らの気持ちを低下させつものであり、下手をすれば凶器にもなりかねないものといえる。人の気持ちを傷つけることで、自尊心を守る一方で他人の人生を狂わせることになるからである。この作品から感じ取れたのは、ひとみという少女の抱える心の闇を例に挙げ、闇が下手をすれば最悪な結果を生み、逆に反面教師とした形で悲劇からの克服をすべきという、自己啓発的な提案しているような面があり、戦いや力がすべてを解決させるものでは決してなく、人間が何を望み、それらがすべての人に幸せをもたらすか。すべての人が生きる権利を持ち、悲しみをそのままにすべきでないというものである。ただ、人の生き方は千差万別であり、克服法と言っても、それぞれに合ったやり方でなくてはならないと言えよう。
この作品は数年前にテレビアニメとして放送され、後に映画化に至ったものであり、知る人ぞ知るものである。矢立肇、河森正治両氏が原作であり、矢立氏と言えばガンダムをイメージする。このエスカフローネという作品において、人間同士の葛藤とモビルスーツという共通性、同氏の生み出した作品の裏側で、何かを訴えるという面がアニメでも見ることが出来る。間接的なメッセージの持つ意味に我々が共感するところはある。作画ではキャラクターの鮮やかさはすごくよく、キャラの持つ感情表現も迫力的である。声優陣の声とキャラがうまく生かされている。エスカフローネに次回作があるとすれば、別のキャラが登場するという所か、ひとみの今後はどんな大人になっているのかを想像しそうな感じである。
人物・神崎ひとみ バァン ゆかり/ESCAFLOWNE